【女性作家】による小説特集も第二弾となります。本記事では女性作家によるエッセイを4冊、恋愛/文学的な作品を1冊の計5選ご紹介しております。ありきたりなエッセイに飽きてしまっている方にはぜひ読んでもらいたい面白いエッセイもありますのでぜひ本選びのご参考にしてみてください。
『ねにもつタイプ』 岸本 佐知子
翻訳家の岸本さんが書き下ろしたエッセイ本です。
個人的な感想として岸本さんの頭の中を覗いているようで本当に面白かったです。電車で読んでいて思わずニヤニヤしてしまいました。
突然「ちょんまげ」について考え始め、頭の頭頂部はつるつるに剃っているのに横の髪を伸ば結ってまとめてとめている髪型は、冷静に考えると実におかしいと書いてあったり。
コアラの鼻はどんな感触なのだろうとか、ゴムのような感じなのか、もしかしてカパット外れたりと著者の妄想が止まりません。
次に動物園でコアラを見た時は鼻から目が離せなくなりそうです。

岸本さんと友達になったらずっと話していられそうな気がします。それほど親近感がわく楽しいエッセイとなっております
『ひみつのしつもん』 岸本 佐知子
冒頭1冊目でご紹介した翻訳家、岸本さんの『ねにもつタイプ』の第二弾として刊行されたエッセイです。
おしゃれなエッセイというよりも、岸本さんの妄想ワールド全開で思わずクスっと笑ってしまう一冊です。
歌舞伎を見に行ったのについつい前にいる外国人2人組に気を取られて歌舞伎に集中できずにその家に帰っても2人がずっと頭に住んでいたり。妄想癖のある人はおそらく共感の嵐かと思います。
ありきたりなエッセイに飽きた人にぜひおすすめです。

『ねにもつタイプ』と併せて読んで笑いありの岸本さんワールドをぜひ楽しんでほしいです
『美女の七光り』林 真理子
雑誌「anan」に掲載されていたものをまとめた1冊です。
著者は小説家、エッセイストである林真理子さん、日本大学の理事長に就任したことで林真理子さんを知った方も多いのではないでしょうか。
さて、本書の感想としては、林真理子さんの浮世離れした豪快な私生活は今の時代と思えないくらいバブルの匂いがしていて面白いです。高級ブランドをついつい大量買いしたり、ダイエットに多額のお金をかけながらも美味しいものには目が無かったり。
庶民には到底真似できないことばかりですが、面白いです。
いい大人でも可愛いものを買ったり、欲しいものは高くても我慢できず即効買ったり、美をいつまでの求めている林さんは若々しいです。彼女の書く小説のパワフルさはここから出ているのかとも思います。
豪華な交友関係も嫌味がなく、どこか庶民っぽさが残る林さんをますます好きになりました。

日大の学生さんは必見ですよ~。なんて冗談ですが理事長の顔しか知らない方は林真理子さんの違う一面を見てみませんか?
『買い物の九割は失敗です』 岸本 葉子
約30の商品を著者の岸本さんが購入した後、失敗と感じたものを楽しく紹介しています。
便利そう、これは使えるぞと思って購入してもいざ使ってみると合わなかったり、続かなかったりすることが面白かったです。
私も思わず買ってしまったことのあるアンクルウェイト(足首におもりをつけて歩く筋トレグッズ)はあまりの重さと動きにくさに著者と同様に後悔したグッズで共感できました。
どれも失敗談ですが、岸本さんが失敗自体もとても楽しまれていて、買い物の楽しさを改めて教えてもらったような気がします。

ネットショッピングでお買い物をする方なら思わず「わかる~」となります。軽い読書がしたい方におすすめのエッセイ本ですよ
『ののはな通信』 三浦 しをん
最期にご紹介する1冊はエッセイではありませんが、三浦しをんさんの作品をご紹介して本記事を綴じたいと思います。
私学のお嬢様学校に通う庶民で勉学好きな”のの”と外交官の娘で天真爛漫なところのある”はな”の手紙やメールのやり取りのみで話が進んでいくという珍しい内容です。
2人は親友を超えて恋愛として意識するようになります。
2人の関係は一度終わり、音信不通になりますが、20年を得てメールでやり取りをするようになります。年月が経っても美しい思い出が2人の心の中にはあり、それぞれが異なる立場でありながら思いやる姿が素敵でした。
はなの行く末が気になりますが、人生を通してこれほどまで想い合える2人にはうらやましさも感じました。
はなの赴任先で内戦の話が出てくる場面は深く考えさせられます。三浦しをんさんにしては意外な結末の一冊に思えました。

『ののはな通信』は恋愛要素もあり、文学的な要素もありで一言でカテゴライズ出来ない作品ですが、ストーリーは意外にも壮大なものになっていきます

さて本記事はいかがでしたでしょうか?ご紹介した5作品のうち、4つがエッセイ本でした。面白いエッセイにご興味のある方はこちらの記事もおすすめですよ

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