男性が読んでも楽しめる女性作家による小説はたくさんありますが、本記事では女性作家による完全に女性向けの小説をご紹介しています。
今回ご紹介する小説エッセイ4作品と純愛小説1作品です。
本記事でご紹介するものはエッセイが多いですがよくあるありきたりなエッセイとは一味も二味も違った面白さがあります。
普段エッセイは見ないという方も、もしかしたらこの分野にも興味を持つきっかけになるかもしれません。
内容が軽くて面白いから電車通勤におすすめ!第23回講談社エッセイ賞受賞作品【ねにもつタイプ】
著者: 岸本佐知子
翻訳家の岸本さんが書き下ろしたエッセイ本です。
岸本さんの頭の中を覗いているようで本当に面白かったです。電車で読んでいて思わずニヤニヤしてしまいました。
突然「ちょんまげ」について考え始め、頭の頭頂部はつるつるに剃っているのに横の髪を伸ば結ってまとめてとめている髪型は、冷静に考えると実におかしいと書いてあったり。
コアラの鼻はどんな感触なのだろうとか、ゴムのような感じなのか、もしかしてカパット外れたりと著者の妄想が止まりません。
次に動物園でコアラを見た時は鼻から目が離せなくなりそうです。岸本さんと友達になったらずっと話していられそうな気がします。
一味違う面白味のあるエッセイなので時間がない時でも気軽に読めます。
電車通勤にもおすすめの1冊です。
ありきたりなエッセイに飽きた方へおすすめ。思わずクスっと笑ってしまう岸本ワールドを体感出来ます【ひみつのしつもん】
著者: 岸本佐知子
「ねにもつタイプ」の第二弾として刊行された翻訳家の岸本さんのエッセイです。
おしゃれなエッセイというよりも、岸本さんの妄想ワールド全開で思わずクスっと笑ってしまう一冊です。
歌舞伎を見に行ったのについつい前にいる外国人2人組に気を取られて歌舞伎に集中できずにその家に帰っても2人がずっと頭に住んでいたり。
妄想癖のある人はおそらく共感の嵐かと思います。ありきたりなエッセイに飽きた人にぜひおすすめです。
笑いありの岸本ワールドを楽しんでほしいです。
何も考えたくないけど読書がしたい時におすすめの1冊【美女の七光り】
著者:林真理子
雑誌「anan」に掲載されていたものをまとめた1冊です。
林真理子さんの浮世離れした豪快な私生活は今の時代と思えないくらいバブルの匂いがしていて面白いです。
高級ブランドをついつい大量買いしたり、ダイエットに多額のお金をかけながらも美味しいものには目が無かったり。庶民には到底真似できないことばかりですが、面白いです。
いい大人でも可愛いものを買ったり、欲しいものは高くても我慢できず即効買ったり、美をいつまでの求めている林さんは若々しいです。
彼女の書く小説のパワフルさはここから出ているのかとも思います。豪華な交友関係も嫌味がなく、どこか庶民っぽさが残る林さんをますます好きになりました。
ハマる人はハマる。「あるある」お買い物エッセイシリーズ【買い物の九割は失敗です】
著者:岸本葉子
約30の商品を著者の岸本さんが購入した後、失敗と感じたものを楽しく紹介しています。
便利そう、これは使えるぞと思って購入してもいざ使ってみると合わなかったり、続かなかったりすることが面白かったです。
私も思わず買ってしまったことのあるアンクルウェイト(足首におもりをつけて歩く筋トレグッズ)はあまりの重さと動きにくさに著者と同様に後悔したグッズで共感できました。
どれも失敗談ですが、岸本さんが失敗自体もとても楽しまれていて、買い物の楽しさを改めて教えてもらったような気がします。
ネットショッピングをよく利用される方は分かっていても思わず「あるある」と思ってしまう共感エッセイです。
人としての美しさを感じ取れます。女性同士の純愛と友情の物語【ののはな通信】
著者:三浦しをん
私学のお嬢様学校に通う庶民で勉学好きな”のの”と外交官の娘で天真爛漫なところのある”はな”の手紙やメールのやり取りのみで話が進んでいきます。
2人は親友を超えて恋愛として意識するようになります。
2人の関係は一度終わり、音信不通になりますが、20年を得てメールでやり取りをするようになります。年月が経っても美しい思い出が2人の心の中にはあり、それぞれが異なる立場でありながら思いやる姿が素敵でした。
はなの行く末が気になりますが、人生を通してこれほどまで想い合える2人にはうらやましさも感じました。
はなの赴任先で内戦の話が出てくる場面は深く考えさせられます。
三浦しをんさんにしては意外な結末の一冊に思えました。
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