本記事では学生にぜひ読んでいただきたいおすすめの小説をご紹介しています。学生さんはもとより大人の方も楽しんでいただける小説ですのでご参考にしてみてください。
私もそうであったように学生時代は楽しいこともあれば情緒不安定になったり色んな悩みがつきものです。
素晴らしい本に出会うことにより時として考え方が変わって楽になったり学校では教えてくれないような特別な何かを得ることが出来ます。
本記事では「もっと早く出会いたかった本」を今、かけがえのない学生生活を送る方たちに読んでいただきたく特集を組みました。
次の本探しに悩んでいられる方のご参考になると幸いです。
「君の肝臓を食べたい」の著者 佐野よるさんによる青春ストーリー【かくしごと】
著者:住野よる
大ヒットした学生恋愛小説「君の肝臓を食べたい」の著者である佐野よるさんが贈る青春物語です。
これは高校生5人組の青春の物語。5人はそれぞれ、人には隠しているちょっとした秘密を抱えています。
人の鼓動速さが数字になって浮かんで見えたり、感情がマークになって見えていたり。
自分の秘密を仲間にも打ち明けられず一人で悩み、打ち明けようか葛藤したり、仲間を想う姿がピュアで住野さんらしい物語だなと思いました。
もう少し先、10年後ぐらいの5人の行く末を見守りたかったので、最後はここで終わってしまうのかと惜しんでしまいました。
住野さんの透明感のある空気感が青春ストーリーにがっちりとはまっていて、ならではの世界観を味わえました。
野間児童文芸賞・坪田譲治文学賞のダブル受賞作品。少年の成長を描く感動ストーリー【しずかな日々】
著者:椰月美智子
少年の5年生の夏を中心に書かれた物語です。
少年は母子家庭で4年生までは一人で過ごすことが多かったのですが、5年生になり押野という少年と出会い、祖父と暮らすことになってから少しずつ世界を広げていきます。
早起きからの掃除、ラジオ体操、友達と草野球、祖父と食べる糠漬け、大きなおにぎりなど何気ない日々が描かれているのですが、心にじーんと伝わってきます。
母は怪しい商売に手を出してしまい、少年にはどうすることもできないですが、それも受け入れ、静か毎日を過ごしていく姿が印象的でした。
最後に少年時代の行く末が描かれているのですが、無理にハッピーエンドに書かれていないところがとてもよかったです。心を安らかにさせてくれる物語でした。
時間が無くてもサクッと読める短編集。優しさを感じられる1冊【サキの忘れ物】
著者:津村記久子
9編の短編集で構成され、どれも楽しめるものですが私は本題でもある「サキの忘れ物」が一番印象的な物語でした。
バイト先の喫茶店の常連客の忘れ物を通じて、新しい人生の一歩を踏み出すきっかけになります。
淡々と進みながらもどこか優しさを感じられる1冊です。日常のさりげないことが書かれていて、安心して読めるものが多かったです。
とても仲のよい友達や家族ほどの繋がりもない顔を知っていて挨拶だけ交わす存在は意外と心休まる距離感があるのかもしれないなと思いました。
毎日の通勤バスで見かける人、昼のコンビニの店員さんなどいつもいる人がいないと気になりますよね。
日常の当り前が幸せに思える小説でした。
進路に悩む高校生にぜひ読んでいただきたい小説【手紙屋 蛍雪篇 ~ 私の受験勉強を変えた十通の手紙 ~ 】
著者:喜多川泰
進路に迷っている学生や、勉強に身が入らない高校生に是非読んでほしい1冊です。
女子高生と手紙屋さんが10通の手紙のやり取りを通して、なぜ大学にいきたいのか、勉強する意味は何か、自分が将来どうしたいのかということについて考えていきます。
「将来のために勉強した方がいい」とよく言われますがその本当の深い意味を理解している学生はほんの一握りな気がします。
大人になって読んでもとても納得がいく内容でした。
なんとなく参考書を広げて勉強しているつもりになるよりも、まずこの小説を読んだ方がよっぽど人生の為になる気がします。
もっと早く出会えたかった一冊です。
忘れ物には「誰かの想い」が込められている。忘れ物にまつわる心温まるストーリー【わたしの忘れ物】
著者:乾ルカ
半ば無理やり商業施設の忘れ物センターで短期のアルバイトをすることになった大学生の恵麻。
センターに届く忘れ物には落とし主とのエピソードがあり、ほっこりしたり切ない気持ちになりました。少し引っ込み思案な恵麻とセンターの個性的なスタッフとのやり取りが楽しかったです。
後半は恵麻に関わるミステリー要素が入っていて衝撃を受けました。
落し物を見て届けるほどでもないものに見えても、探している人がいるかもしれない、誰かにとっては宝物かもしれないと思うと今度は誰かのために拾ってあげようかなと、温かい気持ちになりました。
等身大の大学生の方はもちろん、中学生や高校生もきっと楽しめる1冊だと思います。
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