仕事やプライベートで色々な事が重なって心が疲れてしまったあなたへお送りする「読むと元気になる小説」を特集します。
疲れやストレスなどの発散方法は様々ですがたまには家で読書をしながらゴロゴロとしてみてはいかがでしょう。
ちょっと疲れた時に読むなら後味や読後感の良い小説がおすすめです。
本記事ではそんな心情な中、読むと元気になるんじゃないかなって思う小説を特集しています。
テーマは家族。家庭を持つ男性を描いた直木賞受賞作品【ビタミンF】
著者:重松清
心が疲れた時におすすめの小説、まずは重松清さんの家族をテーマにした7つの短編集『ビタミンF』です。
短編集なのでちょっとした隙間時間に読みやすいので忙しい方にも是非手に取ってほしい1冊。
息子とうまくいかない父親、妻との関係に悩む夫など30~40代の若くも年老いてもいない中年が主人公のお話です。
家族という関係の中での理想と現実のギッップ、葛藤、悩みを抱えながらも大切な存在に改めて気づかされます。
派手なお話はないですが、リアリティがあり、心に響きました。
7つの物語、どの物語も無理やりハッピーエンドに終わらせず、読んでいる人がこの先を想像できるように自然に終えている所も良かったです。

忙しいサラリーマンにぜひ隙間時間に読んで、ビタミン剤にしてほしいです。
テレビでお馴染みの阿川佐知子さんが描く心温まる物語【スープ・オペラ】
著者:阿川佐和子
テレビでもおなじみのタレント阿川佐知子さんの作品『スープオペラ』。
阿川佐知子さんはテレビに出演するタレントのイメージが濃い方ですが、実はエッセイストで小説家でもあるのです。
そんな元気いっぱいの阿川佐知子さんの小説で疲れた心を癒してみませんか。
主人公のルイは叔母のトバちゃんと幼いころから2人暮らし。
突然トバちゃんが恋人と家を出ていき、ルイは一人暮らしとなります。しかしひょんなことから知り合いの康介と60代の画家のトニーとの三人での生活が始まります。
性格年齢もバラバラ、家族でも友人でもない不思議な3人の組み合わせがなぜか心地のいい生活になります。
夕食にはスープを作ることが家の決まりなのですが、お肉やお魚、野菜から出来上がるスープはまるでバラバラのものをひとつにする3人の関係性のような感じがしました。
トニーの自由奔放ながらも愛がある温かさはほっこりしました。
物事を全て白黒はっきりさせなくてもそのままでいいと思われてくれる小説でした。

「スープ・オペラ」は坂井真紀・西島康弘・加賀まりこ・萩原聖人さんといったキャストで2010年に映画化されています。
人気のほがらかミステリー「ビストロ・パ・マル・シリーズ」第3部作【マカロンはマカロン】
著者:近藤史恵
近藤史恵さんの「マカロンはマカロン」は、知る人ぞ知る人気シリーズの「ビストロ・パ・マル・シリーズ」の第三部作です。
フランス料理店「ビストロ・パ・マル」に訪れる客の謎をシェフが解いていく軽いミステリー。
シェフの人を観察する力には圧倒されました。最後まで楽しく読むことができる1冊です。
また出てくる料理は見たことも食べたこともないのですが、想像できてしまうほど丁寧に書かれています。
シェフの心遣いと、謎が解けても本人には伝えない優しさなども詰まっていて心が温まります。
このシリーズでは1部・2部・3部と発刊されていますが前2作を見なくても十分楽しめます。

「ビストロ・パ・マル・シリーズ」の前2部が気になる方は是非読んでみてください。
独身女性におすすめ。一話ごとのコピーがグッとくるオムニバス形式の短編集【試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。 】
著者:尾形真理子
本の構成は5つの章に分かれていています。
それぞれ悩みや葛藤を抱えた女性がセレクトショップに訪れて、最高の一着と出会う物語です。
恋愛に悩んでいたり、不倫中のモヤモヤした気持ちに、背中を押してくれる一着に出会った時の前向きな気持ちになった彼女達は輝いて見えました。
著者の尾形さんはコピーライターとしても活躍されていて、章ごとに素敵な一文が添えられていて、はっとさせられるキャッチフレーズがありそこも楽しめました。
洋服が気分を高めてくれたり、勇気づけてくれたりすることに女性なら共感できると思います。軽く読める1冊なので時間がない方にもおすすめです。

日々忙しい毎日を送る女性におすすめの1冊です。
登場人物20人以上!駆け抜けるストーリー展開が面白い【ドミノ】
著者:恩田陸
登場人物が多く最初は個々の話だったのですが、進むにつれて繋がっていき最後はジェットコースターのように駆け抜ける小説でした。
登場人物が多いので混乱するかなと思ったのですが、キャラクターが濃く読み返す必要もなく最後まで楽しめました。
本題の「ドミノ」のように最後はバタバタと進んでいき爽快感が新鮮で面白かったです。
最後は完全に読者の想像にという形で終わったのも余韻が楽しめました。
20人以上の登場人物を交差させ、一つの小説にまとめていくところはさすが恩田さんだなと感心しました。
推理しながら読んでいくことがお勧めです。ミステリー好きな人も楽しめる1冊だと思います。

本記事でご紹介した小説の他に、読むとなんだか癒された気分になる小説も下記記事でご紹介していますので宜しければご覧ください。

元気が出る小説といえば池井戸潤さんの小説もおすすめです。挫けそうになったり落ち込んだ時は読むと活力が沸いてきます!
いかがでしたでしょうか、心が疲れた時は何も考えず何もしないのが一番と思いきや、読書をすることで疲れが癒されることってあるんですよね。
ストーリーに入っていくことでいい意味で現実逃避出来ますし、読後は心がリラックスしているものです。
心が疲れている時は何よりも無理はせずまず休息を取り、自分の時間を大切にしてみてはいかがでしょう。
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