ミステリー系小説をあまり読まない方も読んだらハマるかも?!時間を忘れてしまうほど面白いミステリー系短編小説をご紹介します。
ページをめくる手が止まらない!【そして誰もいなくなった】
著者:アガサ・クリスティ
ミステリ作家の歴史的偉人、アガサ・クリスティーの描いたクローズドサークルミステリー。
共通点のない10人の男女が絶海の孤島に閉じ込められ、不気味な童謡の通りに一人ずつ殺されていく。島は脱出も侵入も連絡も不可能。犯人は10人の中にいる。さあ、誰だ?というストーリーです。
全員の心理描写が秀逸なことがおすすめする一番の理由。
当然、犯人の心理描写も、犯人視点の描写もある。しかし最後になるまでその人が犯人だとは思えなかったでしょう。
読み返すたびに新しい発見があります。そして読み返すたびにもう一度読みたいと思います。出来れば記憶を消して読みたいとすら思うほどです。
また、この物語には恋愛描写は一切なくミステリーに徹している作風なので個人的にはそういった点も好きなところ。
ただ、一気に10人以上の登場人物が出てくるので混乱してしまいがち。すべての登場人物を暗記してから読むと最高に楽しめると思いますが、初見の時点では難しいかもしれません。
まるでネット掲示板を見るような新感覚小説【オカルトチャンネル】
著者:ipp
この本は普通の小説のような書き方ではなく、ネット掲示板を読んでいるかのような新感覚で読み進めていくことが出来ます。
読書初心者・文章を読むのが苦手だという方はまず手始めにこのような手法で描かれた小説を読むのも良いでしょう。
小説を読むというよりもネットの掲示板を見るような感覚なのでつい思わず一気読みしてしまう方も多いのではないでしょうか。
物語は一つ一つの言葉にどんな意味が込められているのか考えながら、ミステリーを解いている感覚で読み進めることができて楽しいです。
前のページを読み返して分かることも多々あって、読んでいて飽きませんでした。
知らぬ間に本の世界に引き込まれる【ダ・ヴィンチ・コード】
ダン・ブラウン
海外の作品を手にする機会が無い人でもダ・ヴィンチ・コードは読んでおくべき一冊です。
読み始めると最後、世界的に有名な芸術家であるレオナルド・ダ・ヴィンチが関わるミステリアスな内容に惹かれて次々と巻き起こる予測のつかない展開に引き込まれます。
時間を忘れてページを捲り気がつけば深夜の2時~3時!と寝不足の日々が続きます。
この本の面白さの秘訣は魅力的なストーリーはもとより、越前敏弥さんの翻訳が秀逸だからと個人的には思います。
後に映画化もされている有名な作品ではありますが、この物語は小説という媒体で目にした方が、各登場人物の細部に至るまでの心理描写や背景などを知る事が出来てよりいっそう作品を楽しめると思います。
「ダ・ヴィンチ・コード」はアメリカのミステリーサスペンス映画としてトム・ハンクス主演で映画化されています。
ちょうどいいゾクゾク感が初心者におすすめ【きのうの影踏み】
著者:辻村深月
読書を始めたばかりだけどちょっとミステリー系に興味がある方は手始めにこの本を手にとってみてはいかがでしょうか。
ミステリー系は奥が深く大変面白いのですがその内容はものによってはかなり濃く、好き嫌いが分かれることも少なくありません。
辻村深月さんの「きのうの影踏み」は、13の物語が読める短編集で、1つの話が20ページ以内なので気軽に読めむことができます。
ミステリー系の中ではライトな内容ですがミステリーホラーのジャンルなので、物語のラストはいつもゾクッと寒気がするような、なんともいえない読後感が味わえます。
1つ1つの物語は、ありふれた日常を描いているのに、急にホラー感を突き付けられる感じがたまりません。
サクサクと読みやすい【儚い羊たちの祝宴】
著者:米澤穂信
ある読書サークルに参加している人たちにまつわる短編集。
人の怖さがひしひしと感じられる短編小説です。
文章が読みやすく難しい設定などもないこと、突飛な人物などが出てくることもなく現実の物語としてとらえやすいところが読書初心者に対してのおすすめポイントです。
この作者の作品はいくつか読んでいますが、小説の終わりの部分に「それまでの見方を一気に変える一行」を入れるのがうまい作者だと思います。
この作品もまさにその一つで、最後の方で思わず鳥肌が立つような一行が入れられていて、一気に人の怖さを感じさせられました。
読書自体の面白さも味わえる、上質なホラー作品です。
コメント