みんなが寝静まる頃、静かな夜にじっくりと読みたいおすすめ小説特集。

こんな時に読みたい

カフェで読書もいいけど時には誰にも邪魔されない空間でじっくりと本の世界に浸りたいものです。本記事ではおうちで静かな夜に自分だけの空間で読みたい物語の小説を特集しています。

眠れない夜、就寝前などつい手にしてしまうスマホ。

夜寝る前に軽い気持ちで見始めたつもりでも気付けば30分、1時間と長時間見てしまう日もしばしばありますよね。

しかしご存じの通り、スマホの液晶画面から放たれるブルーライトは脳が日中であると勘違いしなかなか寝付けなくなってしまい良質な睡眠が取れなくなり体調を崩す要因にもなりかねません。

ちなみに寝る前に読書をすることでリラックス効果を発揮し、睡眠の質に良い影響を与えてくれると言われています。

それに夜、寝る前に読書をすると内容が頭に良く記憶されることは医学的にも実証されています。

本記事では眠れない夜や就寝前の読書ルーティンのおともにおすすめの小説をご紹介したいと思います。

はかない映画を見ている感覚に【 琥珀のまたたき】

著者:小川洋子

夜に読みたい静かな小説としてまず始めにご紹介したいのは、第1回本屋大賞を受賞したベストセラー【博士の愛した数式】の著者でも有名な小川洋子さんの『琥珀のまたたき』。

琥珀(アンバー氏)がおじいさんになった時に閉鎖環境で育った幼少時代を振り返る形で物語が進んでいきます。

3兄弟は本名とは別にオパール、琥珀、瑪瑙という名を付けられ生活して、母親の言いつけにより6年間外に出ない生活をしていたのに素敵な思い出として残っています。

外から見ると監禁され狂気的な世界であるのに、儚く静かな時間が流れ、自ら遊びを見つけて楽しく生活し、想像力を働かせて生活している姿はキラキラと美しく感じられたのは小川さんの流れるような言葉と、繊細な描写だからかもしれません。

不思議な世界に飛び込んだ気持ちになります。とても余韻の残る物語でしたよ。

先程紹介した小川洋子さんの代表作、『博士の愛した数式』は下記記事でご紹介しております。

読後感がせつなくも優しい【静かな雨】

著者:宮下奈都

続いて宮下奈都さんの小説家デビュー作でもある『静かな雨』です。

事故の後遺症で1日しか記憶が持たないこよみと、優しく隣で支える行助の物語です。

1日で忘れてしまうこよみですがいつも温かい心を持っていて、記憶はなくても心の深いところにはその人自身の残るものがあると教えてくれたような気がします。

こよみはたい焼き屋さんを一人でしているのですが、一つ一つ真ごころを込めて作るたい焼きにもこよみらしさが詰まっていて素敵でした。

行助の穏やかな愛情も悲しさの中に消えない優しさがあって、その優しさをずっと守りたくなるようなお話です。読んでいてとても癒されます。

静かな物語ですが、心に響くものがあります。

夜に読む小説としてはぴったりの1冊ではないでしょうか。

宮下奈都さんはその後、『羊と鋼の森』という小説を書き、2016年本屋大賞受賞作品に選ばれ映画化もされております。

下記記事でご紹介していますので宜しければご覧ください。

京都を舞台に人間模様を描く【手のひらの京】

著者:綿矢りさ

綿矢りささんは高校生の時、17歳にして『インストール』で第38回文藝賞受賞、その2年後早稲田大学在学中の2004年に『蹴りたい背中』で芥川賞受賞されている小説家さんです。

そんな綿矢りささんの作品の中から夜に読みたい小説としておすすめしたいのが『手のひらの京』です。

京都市の実家に暮らす三姉妹の物語です。

結婚に焦る長女の綾香、職場の人間関係がうまくいかない次女の羽依、実家を離れて就職したいことを言い出せない三女の凛。

それぞれが悩みを乗り越えようとする姿を一年間描いています。

京都という歴史の詰まった閉鎖的な所が物語にもよく出ていて、京都は独特の空気があると感じました。この物語が京都であることでより一層深いものになっています。

伝統的な行事や祭りが出てきて、特に京都に住んでいた方や思い入れがある方は親近感が沸くでしょう。

手のひらを曲げるとくぼむところが京都の盆地と閉鎖感を表現していて綿矢さんの題目の付け方もさすがだなと思いました。

読んでいると京都の情景が頭に浮かんできます。情景描写がとても良い小説ですね。

本当の幸せとは?深い恋愛をテーマにした小説【夜の公園】

著者:川上弘美

1996年『蛇を踏む』で芥川賞受賞されている川上弘美さんの作品では『夜の公園』をおすすめしたいと思います。

不倫の話だけどなぜかドロドロ感はなく、清々しさがあるのがこの本のいい所です。

夫がいて愛されているのに年下の男に恋をしてしまいます。

りりはどこか幼さが残っていて憎めず、親友は夫と関係を持ち、りりの浮気相手の兄がりりに想いを寄せるという複雑な4人の関係の話です。

嫉妬や不条理がありながら、月夜に散歩しながら友人の話を聞いているかのような透明感があります。

好きな気持ちが互いに向いていれば幸せな夫婦で終わるのに、矢印の方向が一つ異なるだけでこれほど複雑に切なくなるのだと、しみじみと思いました。

寂しさも残る話ですが、静かな夜にそっとページをめくりたい1冊です。

静かなトーンで進むから世界に入りやすい【哀しい予感】

著者:吉本ばなな

弥生はなぜか叔母のゆきと昔からウマが合うことが不思議でした。

叔母ではなく実の姉妹であったことがわかります。

吉本ばななさんの小説はどこか切なさと人生の深いところが描かれていますが、本作にもたくさん散りばめられています。

本当のことを知ること、受け入れて進むこと、自分に素直になることなど大切なことを教えてくれます。

叔母の自分をもったミステリアスな所や、弟の真っ直ぐでひたむきな所など、どの登場人物も素敵でした。

「知らないことの方がいい」ということもあるけれど、この本を読んで納得して生きていくには真実は知るべきだ、知らなくていいことはないと背中を押してくれます。

大人になってから読んでほしいと思う一冊です。

みんなが寝静まる時間帯は気兼ねなくゆっくりと本を読めるところがいいですよね。本シリーズは『パート2』もありますので宜しければご覧ください。

コメント

  1. […] […]

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