つい感情移入してまいその世界にどっぷりとのめりこんでしまう恋愛小説。恋愛小説や読書をまだ始めたばかりの方は読書願望はあっても何を選んだらいいのかいいのか分からない悩みもあるのではないでしょうか。
そんな方の為にモアブックが恋愛小説を5つご紹介しますので小説選びの参考にしてみてください。
どっぷりと恋愛小説の世界に飛び込むなら【サヨナライツカ】
著者:辻仁成
本気で誰かを好きになったことのある人に読んでほしい恋愛小説です。
婚約者のいるエリートサラリーマンの豊がバンコクでホテル暮らしをしてる沓子に恋をします。結ばれなかった二人ですが、数十年後偶然出会い、沓子はずっと豊を待ち続けていたことを豊は知るのです。
豊と結婚した妻の光子は二人の関係を知っていてずっと心にしまっていたのです。光子の取り乱さずにずっと豊を待つ凛とした強さが印象的でした。
また、光子が書いた詩で「人は死ぬとき、愛されたことを思い出す人と愛したことを思い出す人がいる」という所は豊と沓子を指しているような気がして、とても切なくなりました。
「サヨナライツカ」は映画化されており著者である辻仁成さんの元奥さんである中山美穂さんや西島秀俊さんが出演しています。
くせのない青春恋愛を求めるなら【愛なき世界】
著者:三浦しをん
洋食屋の見習いの藤丸が、デリバリーをきっかけに大学で植物の研究をする紗英に恋をする物語です。
著者である三浦しをんさんはいつも小説の舞台を深く研究されて書いておられますが、見たこともないはずの研究室が頭の中で鮮明に浮かび上がるくらい描写が丁寧に書かれています。
二人の恋愛だけでなく、研究室のメンバーが必死に研究に励んだり、洋食屋の大将が料理に愛を注いだりと目の前のことに一生懸命な登場人物が沢山出てきます。
皆何かに愛をもって懸命に生きていて、そこにも読みごたえがありました。読み終えた時は植物が急に愛おしく感じました。
また単行本の装丁は見とれてしまうくらい美しいので是非見ていただきたいです。
クラシック音楽を聴きながら読みたい【マチネの終わりに】
著者:平野啓一郎
じっくりと恋愛小説を堪能したい人におすすめです。
クラシックギタリストとジャーナリストの二人が日本、ニューヨーク、パリを舞台にした恋愛を描いた小説です。
好きだから一緒になればいいという単純なものではなく、立場や状況など大人の良識があるからこそなかなか結ばれず何度もすれ違うところは苦しくて悲しかったです。
人生とは何か、時間の流れが解決してくれるものなど恋愛以外についても考えさせられました。
美しい表現が多く、じっくりと行間を読んで、思いに浸りながら時間をかけて味わてもらいたい小説です。クラシックの曲が沢山出てくるのですが、実際に音楽を聴きながら読み返したいと思いました。
「マチネの終わりに」は福山雅治、石田ゆり子さんのダブル主演で映画化されています。
恋愛小説で泣きたいなら【君の膵臓をたべたい】
著者:住野よる
泣ける小説が読みたい人におすすめです。
他人に興味のない地味な春樹が、クラスメイトの桜良が膵臓の病で余命がわずかであるという秘密を書いた本を拾い知ってしまします。
桜良は家族以外には余命のことを秘密にしていたのですが、死ぬまでにしたいことをするために春樹を巻き込んでいきます。
明るくて、クラスでも人気の桜良と接するうちに春樹は人に対して心を開きはじめたところで、悲劇なことに桜良と突然の別れが訪れます。
突然の別れが悲しく、亡くなった後に気づく桜良の思いにも苦しくなるのですが、なぜか桜良の笑顔がふとよみがえる小説です。
桜良にまた会いたくなる小説でした。
「君の膵臓をたべたい」は小栗旬さん主演で映画化されています。原作を映像でも楽しみたい方は小説を読んだ後に映画を見るのもおすすめ。
短編なので通勤や休憩におすすめ【12星座の恋物語】
著者:角田光代/鏡リュウジ
星座占いが好きな人、今恋をしている人に読んでほしいです。
占い師の鏡リュウジさんと角田光代さんがコラボした男女それぞれの星座を主人公にした短編の恋愛小説です。
各星座の性格や恋愛傾向などを鏡さんが説明したあとに角田さんの小説が入っています。
自分の星座のところは自分に重ねて共感したり、好きな人の星座のところを先に読んだり、友人を思い浮かべながら読んだりといろいろな楽しみ方ができます。
ひとつの物語は短いので少しあいた時間にさらっと読めます。占いが好きな方はきっと楽しめると思います。
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